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金属屋根―瓦棒葺き屋根

【 瓦棒葺きとは 】

昔から勾配の緩い屋根に使用されている縦葺き工法の屋根材を瓦棒と呼んでおります。心木を入れない瓦棒状の吊子間に、両端を立ち上げた金属板の溝板を設置して、さらにキャップ(瓦棒包み板)をかぶせて仕上げる工法です。

断面図 】【 納まり構成図 】【 工法 】【 心木なし瓦棒葺

症状例


30年経過した屋根


40年経過した屋根


サビ部分からの雨漏り


軒先小口の腐り


雪止め裏側腐り


軒先撤去後の木材腐敗

メンテナンス方法

屋根勾配が緩い建物に使われる長尺瓦棒の欠点部位は軒先の腐れが殆どです。どうしても、雨水が屋根材裏面に逆流するため腐れが激しく、軒先の天井にまでしみている事が多いです。屋根材の継ぎ足しは出来ないので早急にリフォームが必要です。

屋根全面葺き替え
●葺き替えとは

屋根のサビが著しく進行している場合には、瓦棒屋根を全面撤去しなければなりません。また、既存屋根の下地、屋根板が経年劣化でもろくなり、屋根を歩いた時に沈む状態の時も同様です。同形状の瓦棒、立平で屋根を納める必要があり、その工程を一般的に葺き替えと呼んでおります。他の屋根材、横葺きなどで葺き替えることができない事がほとんどです。

●メリットとデメリット


【メリット】

Point 1
既設屋根材を剥がして、屋根下地の補強が出来る。
Point 2
軽量な屋根材のため耐震性に優れている。
Point 3
緩い勾配の屋根形状のため安全性や施工性が良い。
Point 4
他の横葺き屋根材に比べて材料単価が安価 。
Point 5
和風、洋風タイプどの屋根 形状でもシンプルなデザインにより、陽射しに映える表情豊かな屋根面に変化する。
Point 6
施工中でも室内などは普段と変わらない生活を持続。
Point 7
締結部により毛細管現象を抑え、スガ漏れ、雨漏りを防止。
Point 8
段差のある屋根箇所で、高さが制限ある場合には採用。

【デメリット】

Point 1
雪止め裏側部分に雨水が滞留しやすい。
Point 2
断熱性がない。
Point 3
長尺瓦棒葺きの撤去、処分の工賃などの費用が高価。
Point 4
遮音性が悪く、雨音、屋根からの騒音がする事もある。
Point 5
軒先部分は雨水が溜まりやすく腐りが激しい。
Point 6
緩い勾配に採用されるため、雨漏りが起きる可能性もある。
Point 7
取合い部分や寄棟屋根は施工技術が必要で、職人の腕に差が出る。
●屋根板の補強

屋根勾配が殆どない屋根で、下屋の屋根や雨水の量が一箇所に集中してくる谷周辺などは雨水が下地にまで侵入して屋根板が腐っている事がよく見られます。このような状況ですと下葺き材も腐っているので、結露などで雨漏りの可能性も出てきます。屋根のクマガイでは、既存の屋根材の谷部分に上がった時に屋根材が極端に沈んだりする時には、一度屋根材を撤去して下地の状況をみて屋根板を張りなおしたり補強工事をします。

▲垂木の補強

▲屋根板完成

カバー工法
●カバー工法とは

既存の瓦棒葺屋根の上にアスファルトルーフィングを敷き、新しい瓦棒を被せる二重構造の屋根です。比較的に屋根の状態がサビなどもなく、浮き沈みもない良好な時に使用されます。

断面図 】【 カバールーフ施工中

●メリットとデメリット


【メリット】

Point 1
既設屋根材を剥がさずに直接葺きあげが出来る。
Point 2
断熱性に優れた強い屋根を形成し、より快適な空間を得られる。
Point 3
長尺瓦棒葺きの撤去、処分の工賃などを節約。
Point 4
屋根が二重構造となるため、雨音、屋根からの騒音を抑える。
Point 5
和風、洋風タイプどの屋根材でもデザインにより、陽射しに映える表情豊かな屋根面に変化する。
Point 6
施工中でも室内などは普段と変わらない生活を持続。
Point 7
締結部により毛細管現象を抑え、スガ漏れ、雨漏りを防止。

【デメリット】

Point 1
既設屋根材を剥がさないために屋根下地の確認が出来ない。
Point 2
屋根全体の重量が少々増加する。
Point 3
規格以外の長尺瓦棒葺きの場合、成型費用、経費が増加する。
Point 4
軒先部分は雨水が溜まりやすく腐りが激しい。
Point 5
屋根の凹凸部分が大きな形状になる。
Point 6
緩い勾配に採用されるため、雨漏りが起きる可能性もある。
Point 7
取合い部分や寄棟屋根は施工技術が必要で、職人の腕に差が出る。
●垂木の補強

既設の屋根を剥がさずに施工できる方法であっても、必ず軒先はかなり腐っていたりサビていたりします。そこで屋根のクマガイでは、軒先から約200mm現在の既存屋根をカットして下地を剥き出しの状態にして、下地(垂木や広子舞)の状況を検査致します。痛みが激しい状態ですと破風板まで雨水が浸入している場合があるので要注意点です。

瓦棒 垂木の補強

瓦棒 軒先カット

下地かさ上げ工法
●下地かさ上げ工法とは

屋根の勾配を緩勾配から少々急勾配に変更する工法です。何回も修理して直らない雨漏りは瓦棒屋根が多いのです。その改善方法は現状の屋根の上に下地組みを施工して、新たに屋根の骨組みを形成する方法が最善の方法でしょう。

屋根勾配が急であるほど水の流れは良くなりますので、雨漏りの発生を抑える事が可能となります。片屋根の緩勾配の屋根が多くなってきてますが、雨水の排水という観点からは、屋根上に雨水がどうしても溜まりやすく、劣化の進行を早めております。

●メリットとデメリット


【メリット】

Point 1
既設屋根材を剥がさずに直接かさ上げが出来る。
Point 2
断熱性に優れた強い屋根を形成し、より快適な空間を得られる。
Point 3
長尺瓦棒葺きの撤去、処分の工賃などを節約。
Point 4
屋根が二重構造となるため、雨音、屋根からの騒音を抑える。
Point 5
雨漏りを完全に修理可能。
Point 6
施工中でも室内などは普段と変わらない生活を持続。

【デメリット】

Point 1
既設屋根材を剥がさないために屋根下地の確認が出来ない。
Point 2
屋根全体の重量が少々増加する。
Point 3
かさ上げ工法の下地材料費用、経費が増加する。
Point 4
屋根面が高くなるので耐風圧に弱くなる。
Point 5
大雪での落雪があるため、雪止めの間隔を縮小する。
Point 6
大工工事の費用が高額。
Point 7
かさ上げ施工は優れた施工技術が必要となる。
●下地補強

建物の設計上、雨樋(既製品外の物)が室内上部にある屋根は雨漏りの危険性 が考えられます。既存瓦棒屋根の上にづか、もやの木下地(3寸角) を設置して、0.5mmのハゼ締め折板屋根を葺き上げます。外壁面から軒先を200mmほど出して、雨樋(既製品)は建物外に取付をして いつでもメンテナンス出来るようにしております。

メンテナンス時期

リフォームする上で重要な事は、人や家のライフスタイルに合わせて適切な時期に無駄の出ない工事をすることです。それぞれの理由でリフォーム工事を行っていくと、二度手間の発生や多額の費用がかかってしまったりします。

例えば、家族の生活環境、家自体の老築化、地震対策、老朽化のための定期的なメンテナンス工事、デザイン重視のリフォームなどさまざまであります。タイミングを間違えてしまうと、一度施工した箇所を壊す事になったりして、雨漏りなども発生させてしまう場合もあります。

ガルバリウム鋼板のメーカー保証は「塗膜15年」「赤錆25年」が基本です。「塗膜20年保証」のハイグレード製品もあります。建物の部位の中で一番大切なのは屋根ですので、下記の耐用年数表を参考にリフォームの工事時期をしっかりと見極めて検討してみると良いでしょう。

  耐用年数 塗装の周期
スレート屋根
(コロニアル)
30年(メーカー公表)
10~13年(現状の統計)
8~10年
ガルバリウム鋼板屋根
(瓦棒・横葺き)
20~25年 15~20年
瓦屋根 60~100年 必要ない

住まいのロングライフ化に向けて、メンテナンス計画を立てる際に目安とするための耐用年数、塗装の周期です。基本は、10年毎の定期メンテナンスを行うことです。住宅の地域、環境や使用条件によって劣化の進行状況が異なりますので、あくまで目安としてご活用下さい。

■B様邸/耐久性のある金属屋根にリフォームしたい方 ―
10年保証の軽量なガルバリウム鋼板を使用

酸性雨、酸性雪、塩害など錆に対する悪条件が深刻化しつつある中で、新築時から10年以上経過してしまった建物の屋根には、より耐久性の高いガルバリウム鋼板が求められます。

■C様邸/耐食性に優れた20年保証の高級金属屋根に葺き替えの上、塗装費用を削減したい方

耐食性、耐候性に優れたフッ素樹脂塗料で仕上げた製品により、塗膜の変耐色、白亜化、ひび割れ、はがれについて20年の保証が受けられます。

●9月から11月に屋根のリフォームをする方が多い理由とは?

屋根の葺き替え工事などしていると、奥様によく言われることがあります。

「板金屋さんは夏は日光に一番近いとこに上がって暑いだろし、 冬は冷たい風にあたりながらのお仕事で大変でしょうね」
「もしお仕事が忙しくなければ、少し涼しくなってから葺き替えしてもらっても構いませんよ」
「梅雨の時期は屋根が濡れていて危険だから、十分に気をつけてね」
「夕方、日没が早いから屋根でのお仕事は遅くまで出来ないんじゃない?」

屋根のクマガイが忙しくなる時期は、長年の施工実績からデータを取ると、やはり9月から11月にかけてが多いようです。

特に今年のような猛暑の年は、屋根での作業は熱中症 には気をつけなければなりませんし、水分補給を取りながらの作業となり、どうしても施工期間に影響を及ぼしてしまいます。しかし、私たち板金職人は、どんな天候でも妥協をすることなく、施工方法を変えることは出来ません。

屋根や外壁のリフォームは、一生に一度の大きなお買い物ですから、値段はもちろんですが、しっかりと丁寧に工事をしてもらいたいものでしょう。お客様はよく現場の状況を理解している方が多いようで、寒くなる冬の時期よりもその前に工事を終わらせてしまいたいと思っているようです。

■冬の時期、リフォームに影響を及ぼす要因
  • 夕方の屋根は夜露が降り始める
  • 日没が早い
  • 朝の屋根は霜がおりている
  • 夕方気温が急激に下がる
  • 雪が降ってくる
  • 冷たい風が吹き荒れる

仕事は技術が一番、もっと重要なことは『真心』ですること
屋根材をハサミで切ったり、曲げたり…常に長持ちしてほしいの心で!

年間を通して暑くもなく寒くもない状況下で屋根工事が出来る日は限られております。わたしたち板金職人のモットーは、普段から手間を惜しまないことであり、常にどんなことをしたらお客様が喜ぶかを考えて施工しております。天候が悪くなると、いろいろお気遣い頂いたりすることがあり、申し訳ない気持ちでおります。そのお客様の大切な思いやりの心を忘れることなく、恩返しをするように弊社として朝の打合せで徹底をしております。

屋根改修工事を9月から11月にお薦めするワケは、いつもご自宅にいる奥様に天候の面でご心配をおかけすることのないように、真心をもって仕事を進めていくことができるからなのです。

もし、屋根のリフォームで少しでも弊社をご信用してくださるのでしたら、まずは、心を決める前にお気軽にご連絡を下さい。お電話を頂いて納得いかないような事がありましたら、どうぞお断りしていただいて構いません。真冬になる前のこの時期、弊社の永年の施工実績からぜひお勧めです。

お薦め屋根材

「屋根材の選択方法がリフォーム成功への一歩」

これまでも、これからも、いつまでも。屋根のクマガイの屋根工事の基本としている考えです。

現在、多くのメーカーから多種多様の屋根材が出ております。その中から、一番ベストな商品を選択するのは難しいのではないでしょうか?同じような形状しているのに商品単価が違ったり、屋根材の厚みまでもいろいろで私共の屋根工事店でも迷うくらいになってきてます。

金属屋根で一般的に使われているガルバリウム鋼板は、さらに品質が向上したスーパーガルバリウム鋼板通称(SGL)に進化しており、仙台近郊でのリフォーム工事では主流となっています。

住まいの安全のために、暮しの安全のために屋根材が軽量であることが一番重要であり、軽さを優先させなければなりません。その上で、デザインや機能を付加していく必要があります。

住宅を購入する時は内装重視になってしまい、屋根について検討する方があまりいません。一生に一回で済ませるためには、下記の屋根材を採用して適切な板金工事をする事が大事なのです。

「立平」「瓦棒」[金属瓦][カバールーフ]などが候補としてあります。金属屋根の多くは新築とリフォームを問わず、20年から30年の保証がメーカーから得られます。瓦棒屋根の上に横葺き材を重ね葺きすることはできません。


立平葺き屋根の画像


瓦棒葺き


カバールーフ

施工の流れ

カバー工法
●施工手順
  1. 既存瓦棒屋根の心木間隔の確認
  2. 軒先屋根材の切断
  3. 軒先下地、唐草の取り付け
  4. 既存屋根面の下地の確認(ゴミ、付着物)
  5. 下葺き材の敷きこみ 
  6. カバ-ルーフの葺き上げ(溝板、通し吊り子、キャップ)
  7. 棟包みの納め
  8. 雪止めの設置
  9. 屋根全面の清掃、納まり点検

軒先屋根切断

軒先木下地取付

軒先唐草取付

防湿材の敷き込み

タイトフレーム取付

屋根板補強・構造用合板

はぜ締め折板仮葺き

棟包み木下地

カバールーフ完成

屋根全面葺き替え
●施工手順
  1. 雪止め撤去
  2. 屋根材撤去
  3. 軒先下地、唐草の取り付け
  4. 腐敗屋根板の補強
  5. 下葺き材の敷こみ
  6. 屋根材の加工(棟立上げ)
  7. 屋根材仮葺き(吊子、キャップ)
  8. 棟包みの納め
  9. キャップを手動機械で本締め
  10. 棟木下地取付
  11. 雪止めの設置
  12. 屋根全面の清掃、納まり点検

瓦棒屋根施工前

心木あり瓦棒屋根撤去の様子

瓦棒屋根撤去後の防水紙

屋根材撤去後状態

屋根下地の補強・構造用合板9mm

軒先15×90貫板、捨唐草

屋根下葺きルーフィング23敷き込み

ガルバリウム鋼板0・35mm瓦棒完成

下地かさ上げ工法
●施工手順
  1. 雪止め撤去
  2. 足場設置
  3. つか、もやの取付
  4. タイトフレーム取付
  5. 軒先面戸加工
  6. 重ね型折板仮葺き
  7. 重ね型折板ボルトの本締め
  8. ケラバ包み
  9. 雪止めの設置
  10. 屋根全面の清掃、納まり点検

足場施工中

もや、つかの取付

タイトフレーム取付

重ね型折板葺き施工

内樋周辺の雨漏り箇所

重ね型折板施工後

瓦棒屋根の屋根改修工事・専門業者の選定方法とは

施主様は瓦棒屋根の雨漏りを直ぐにでも修理してもらいたいと願っており、数多くのホームページや電話帳、チラシを見て問い合わせします。現在は情報量が膨大であり、雨漏りを専門に修理をする業者を捜すのが難しいのではないでしょうか。

インターネットでも雨漏りと検索すると何万数のページがヒットしますが、雨漏りを専門にしている屋根板金専門店をすぐに見つけられるかというと疑問です。フランチャイズに加盟している会社、塗装業者、大手のハウスメーカー、リフォーム会社も直接請け負って工事をすると謳っていることが多いのです。最近は大手の家電量販店でも屋根工事を扱っていたり、本当に仲介業者が増えてきました。

このような会社に依頼をすると、雨漏りの原因や修理方法、施工日の報告などが速やかに行われませんので、直ぐに解決するはずの工事が遅れてしまう可能性も否定出来ません。つまり、直接、問い合わせを受けるというだけなのです。雨漏りの施工実績があって、専門に工事を行う屋根板金業者であるかの判断が一番重要です。もし、仙台にお住いである方は、見極めの一つの手段として板金業者であるか訪問してみましょう。

「基幹技能士はおりますか?」
「金属屋根を切断したり、曲げたりする機械はありますか?」

このような質問をしてみて、技術力のある屋根専門業者に工事をお願いしてみましょう。
屋根のクマガイでは瓦の施工や葺き直し、漆喰詰めなどは承っておりません。
屋根板金工事だけを専門にしているので、実績は豊富にあり施工技術も一流です。地域密着を大事にしている弊社だからこそできる、高品質で適正単価の金属屋根工事を私たちはお客様にご提供していきたいと思います。

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