ガルバリウム鋼板の屋根材でリフォームにおいて一番採用されているのが横葺き屋根です。
そもそも、ガルバリウム銅板とは「溶融55%アルミニウム亜鉛合金めっき鋼板」と定られています。アルミと亜鉛で鉄を守ることで生れた鋼板です。軽量で頑丈な仕上がりで地震に強い屋根工法、あらかじめ工場で成型されてきますので、施工性に優れており、メーカー保証も付きます。多くのガルバリウム鋼板には裏面に断熱材が貼り付けられており、屋根の欠点(雨音・断熱性)を補ってくれます。
トタン屋根のサビ
下屋根のサビ
雪止め付近のサビ
築25年後の屋根
築31年後の屋根
継手部分のサビ
一文字葺屋根で発生する雨漏りの現象の一つで、ハゼ部分が毛細血管現象を起こし雨水がハゼの重なり部分でダムの状態を形成してしまい、雨水の逃げ場所がなくなっていることが考えられます。それは、屋根で塗装やその他の作業をするたびにハゼ部分をつぶしてしまい、施工した当時には均一にあった少々な隙間が確保できない状況を作ってしまったからのようです。
現在使われている横葺き屋根ではこのような現象で雨漏りを引き起こすことはないようですが、築年数が古い屋根には一文字葺き屋根が施工されてるので、リフォームする際には雨漏りなどしていないか診断する必要があります。
一文字葺き撤去
一文字葺き継手部分
屋根のサビが著しく進行している場合には、横葺き屋根(一文字葺き)を全面撤去しなければなりません。また、既存屋根の下地、屋根板が経年劣化でもろくなり、雨漏りを発見した時は既に防水紙と下地がボロボロだったということも少なくないのです。同形状の断熱材付きの段葺きや縦葺きの瓦棒、立平でも屋根を納める事が可能です。その工程を一般的に葺き替えと呼んでおります。
耐震性を考えた場合、軽い屋根の方が有利です。スレート材よりも軽い金属屋根材をお勧めしております。
特に、定尺横葺き屋根材でリフォームをすれば費用も削減できるでしょう。
【メリット】
【デメリット】
北面の緩い屋根勾配の軒先付近では、雪が解けにくかったり、長年溜まった杉葉などが雨水の流れを堰き止めてしまい、雨水が下地にまで侵入して屋根板が腐っている事がよく見られます。このような状況ですと下葺き材も腐っているので、雨漏りの可能性も出てきます。屋根のクマガイでは、既存の屋根材の谷部分に上がった時に屋根材が極端に沈んだりする時には、一度屋根材を撤去して下地の状況をみて屋根板を張りなおしたり補強工事をします。
屋根板の撤去
屋根板張り
【メリット】
【デメリット】
既設の屋根を剥がさずに施工できる方法であっても、必ず軒先はかなり腐っていたりサビていたりします。そこで屋根のクマガイでは、軒先から約200mm現在の既存横葺き屋根をカットして下地を剥き出しの状態にして、下地(垂木や広子舞)の状況を検査致します。痛みが激しい状態ですと破風板まで雨水が浸入している場合があるので要注意点です。
軒先横葺き材の撤去
撤去後、木下地取付
既設の屋根を剥がさずに施工できる方法であっても、屋根の腐敗状況によっては既存横葺き材に直接下葺きを敷いて新しく横葺きを葺く事が困難な時もあります。特に、工場で成型された横葺き材が世の中に販売される前は、トタン板を一枚一枚加工して屋根材として使用しておりました。通常、一文字葺き、平葺きと呼ばれてますが、経年劣化ではぜ部分から雨水が浸透していたりします。このような状況の場合、屋根全面に構造用合板を敷いて垂木にビス止めをしてから、新規に横葺き材を葺き上げていきます。
構造用合板を仮葺き
構造用合板のビス止め
リフォームする上で重要な事は、人や家のライフスタイルに合わせて適切な時期に無駄の出ない工事をすることです。それぞれの理由でリフォーム工事を行っていくと、二度手間の発生や多額の費用がかかってしまったりします。
例えば、家族の生活環境、家自体の老築化、地震対策、老朽化のための定期的なメンテナンス工事、デザイン重視のリフォームなどさまざまであります。タイミングを間違えてしまうと、一度施工した箇所を壊す事になったりして、雨漏りなども発生させてしまう場合もあります。
ガルバリウム鋼板のメーカー保証は「塗膜15年」「赤錆25年」が基本です。「塗膜20年保証」のハイグレード製品もあります。建物の部位の中で一番大切なのは屋根ですので、下記の耐用年数表を参考にリフォームの工事時期をしっかりと見極めて検討してみると良いでしょう。
耐用年数 | 塗装の周期 | |
---|---|---|
スレート屋根 (コロニアル) |
30年(メーカー公表) 10~13年(現状の統計) |
8~10年 |
ガルバリウム鋼板屋根 (瓦棒・横葺き) |
20~25年 | 15~20年 |
瓦屋根 | 60~100年 | 必要ない |
住まいのロングライフ化に向けて、メンテナンス計画を立てる際に目安とするための耐用年数、塗装の周期です。基本は、10年毎の定期メンテナンスを行うことです。住宅の地域、環境や使用条件によって劣化の進行状況が異なりますので、あくまで目安としてご活用下さい。
■B様邸/耐久性のある金属屋根にリフォームしたい方 ―
10年保証の軽量なガルバリウム鋼板を使用
酸性雨、酸性雪、塩害など錆に対する悪条件が深刻化しつつある中で、新築時から10年以上経過してしまった建物の屋根には、より耐久性の高いガルバリウム鋼板が求められます。
■C様邸/耐食性に優れた20年保証の高級金属屋根に葺き替えの上、塗装費用を削減したい方
耐食性、耐候性に優れたフッ素樹脂塗料で仕上げた製品により、塗膜の変耐色、白亜化、ひび割れ、はがれについて20年の保証が受けられます。
屋根の葺き替え工事などしていると、奥様によく言われることがあります。
「板金屋さんは夏は日光に一番近いとこに上がって暑いだろし、 冬は冷たい風にあたりながらのお仕事で大変でしょうね」
「もしお仕事が忙しくなければ、少し涼しくなってから葺き替えしてもらっても構いませんよ」
「梅雨の時期は屋根が濡れていて危険だから、十分に気をつけてね」
「夕方、日没が早いから屋根でのお仕事は遅くまで出来ないんじゃない?」
屋根のクマガイが忙しくなる時期は、長年の施工実績からデータを取ると、やはり9月から11月にかけてが多いようです。
特に今年のような猛暑の年は、屋根での作業は熱中症 には気をつけなければなりませんし、水分補給を取りながらの作業となり、どうしても施工期間に影響を及ぼしてしまいます。しかし、私たち板金職人は、どんな天候でも妥協をすることなく、施工方法を変えることは出来ません。
屋根や外壁のリフォームは、一生に一度の大きなお買い物ですから、値段はもちろんですが、しっかりと丁寧に工事をしてもらいたいものでしょう。お客様はよく現場の状況を理解している方が多いようで、寒くなる冬の時期よりもその前に工事を終わらせてしまいたいと思っているようです。
仕事は技術が一番、もっと重要なことは『真心』ですること
屋根材をハサミで切ったり、曲げたり…常に長持ちしてほしいの心で!
年間を通して暑くもなく寒くもない状況下で屋根工事が出来る日は限られております。わたしたち板金職人のモットーは、普段から手間を惜しまないことであり、常にどんなことをしたらお客様が喜ぶかを考えて施工しております。天候が悪くなると、いろいろお気遣い頂いたりすることがあり、申し訳ない気持ちでおります。そのお客様の大切な思いやりの心を忘れることなく、恩返しをするように弊社として朝の打合せで徹底をしております。
屋根改修工事を9月から11月にお薦めするワケは、いつもご自宅にいる奥様に天候の面でご心配をおかけすることのないように、真心をもって仕事を進めていくことができるからなのです。
もし、屋根のリフォームで少しでも弊社をご信用してくださるのでしたら、まずは、心を決める前にお気軽にご連絡を下さい。お電話を頂いて納得いかないような事がありましたら、どうぞお断りしていただいて構いません。真冬になる前のこの時期、弊社の永年の施工実績からぜひお勧めです。
「屋根材の選択方法がリフォーム成功への一歩」
これまでも、これからも、いつまでも。屋根のクマガイの屋根工事の基本としている考えです。
現在、多くのメーカーから多種多様の屋根材が出ております。その中から、一番ベストな商品を選択するのは難しいのではないでしょうか?同じような形状しているのに商品単価が違ったり、屋根材の厚みまでもいろいろで私共の屋根工事店でも迷うくらいになってきてます。
金属屋根で一般的に使われているガルバリウム鋼板は、さらに品質が向上したスーパーガルバリウム鋼板通称(SGL)に進化しており、仙台近郊でのリフォーム工事では主流となっています。
住まいの安全のために、暮しの安全のために屋根材が軽量であることが一番重要であり、軽さを優先させなければなりません。その上で、デザインや機能を付加していく必要があります。
住宅を購入する時は内装重視になってしまい、屋根について検討する方があまりいません。一生に一回で済ませるためには、下記の屋根材を採用して適切な板金工事をする事が大事なのです。
「長尺、定尺横葺き」「瓦棒」[SV-6][横段15]などが候補としてあります。金属屋根の多くは新築とリフォームを問わず、20年から30年の保証がメーカーから得られます。横葺き屋根の上に瓦屋根を重ね葺きすることはできません。
定尺段葺き・横段15
定尺横葺き
はぜ締め折板・SV-6型
瓦棒葺き
施工前全景
横葺き屋根腐敗の確認
軒先横葺き材の撤去
撤去後、軒先木下地取付
軒先 唐草取付
屋根構造用合板を仮葺き
撤去下葺きルーフィング 23K張り
横葺き屋根施工中
段差、勾配部分雨仕舞い
定尺横葺き完成
施工前全景
屋根材撤去
屋根板撤去
屋根板張り
軒先木下地、捨唐草
下葺き張り
箱棟納め
定尺段葺き施工中
施工後全景