屋根の雨漏り原因として多いのが、屋根面を開口して突起物がある場合です。
通常、ドーマーとか言われており要重点箇所ですので、雨水が屋根面に溜まる事がないように排出する施工方法を考える必要があります。ドーマーの他には明り窓、換気口、煙突などです。雨漏りの対策として下葺き材、屋根の納めなど慎重に施工しなければならないポイントが多数あります。
屋根にある開口部
屋根から突き出た小さな屋根とその窓。屋根裏の空間に光を採り入れるためのものですが、日本では飾り窓としてバブル期の住宅などに多く見られます。また、換気をとるために
換気用煙突として屋根に穴を開けて作ったりもします。重要な点は取り付ける位置であり、なるべく屋根の頂点部、棟と言われている箇所に近い所に制作しなければなりません。
小屋根裏の暖かい空気は上昇していきますので、棟部にあれば自然エネルギーによる換気が取れます。雨漏りの対策としては雨水が流れてくる谷や棟と交錯する箇所への設置は避けなければなりません。
障害物は屋根に設けない方が一番良いのですが、しっかりとした施工を行えば雨漏りも防止する事は可能です。
小屋根や天窓の詳細はこちら
ドーマー修理例のご紹介:現状
ドーマー付近からの雨漏り現場の修理について詳しく解説いたします。
天窓と違い決まった形はなく施工方法は様々ですが、障害となる物が屋根面にある場合には、下葺き材の増張りなどの補強による対策を万全にしなければなりません。
令和元年10月の大雨により1階の寝室に雨漏りが発生。夜10時頃に天井からポタポタと
雨が落ちてくるようになり、バケツに溜まるぐらいの雨漏りのようです。
既存屋根は15年前にリフォーム済み。
横葺き屋根にカバー工法で定尺の横葺きが葺いてあり、壁もモルタル壁に窯業系の外壁材を重ねて張っております。ドーマー部分はタイル張りがされております。
点検の結果:問題点
雨漏りの点検を要する箇所は6箇所に及びました。
棟部分の納め、屋根と壁の取合い、サッシ枠のシーリング状態、ドーマーと外壁の取合い
ドーマーのタイル劣化、定尺横葺きの施工方法
1・棟部分の納め・立上げの施工方法や棟包みの重ね幅は良好
2・屋根と壁の取合い・重ね葺きをした定尺横葺き材の立上げや木下地の取付、シーリング
の状態も良好
3・サッシ枠のシーリング状態・窯業系の外壁と水切りの取合いにシーリングの劣化が発生
4・ドーマーと外壁の取合い・シーリングで納めてあるが状態は良好
5・ドーマーのタイル劣化・角コーナー付近のヒビ割れが多く不良
6・定尺横葺きの施工方法・3.6mの材料をはぜ掛けして連結している状態は良好
棟包みの詳細はこちら
https://www.yane-kumagai.com/service/amamori.php#yane02
雨漏り修理:解決策
寝室に雨漏りが発生した原因は5番目のドーマーに張られているタイルの劣化です。
これまで旦那様がヒビ割れ箇所をシーリングしていたようですが、台風時の大雨には耐える事が出来きませんでした。
雨漏りの修理方法としてタイル張りの上にカバー工法を採用してアスファルトルーフィングを張り、ガルバリウム鋼板の横葺き材を全面に張りタイルを完全に見えない状態に仕上げました。
メンテナンス方法の詳細はこちら
https://www.yane-kumagai.com/service/kinzoku_yoko.php#sct02