宮城県仙台市泉区のH様のお宅は平成30年2月3日の強風により屋根頂点にある棟包み
が飛散する被害に遭う。棟包みは2件隣の車庫まで飛んでいくが、車にまでキズが付く事がなかったのでご迷惑をおかけすることがなくて良かったのです。セキスイハイムに問い合わせをしたところ、棟包み撤去費や、屋根リフォームするのに高額な金額を提示されてビックリしたようです。応急処理だけでもしてくれれば雨が降っても安心なのですが、担当者はとりあえず大丈夫だからと根拠がないことを言って帰ってきました。建物は9年前に外壁と屋根の塗装をセキスイハイムが施工済みです。
棟包みだけの修理で済むのか、カバー工法が可能であるのか屋根のクマガイに調査のお電話が入りました。
築25年経過したご自宅の屋根調査
屋根材は厚さ0.5mmのプレーゲルというセキスイハイムが独自に開発した製品。亜鉛めっき鋼板に塩化ビニルが接着してありますが、経年劣化でこの塩化ビニルが劣化してきて、めくれ上がっている状態になっておりました。亜鉛メッキ鋼板が剝き出しになっており、雨水が直接当たるのでサビの発生が見られます。屋根材は波形状の山部分に長さ90mmのビスで固定しているため飛散の恐れはないです。
プレーゲル屋根・施工上の問題点
強風により棟包みが飛散した原因は固定している木下地、釘の劣化です。
プレーゲル屋根材の全長長さが短いために、棟包みを大きく成型してしまい強風に耐える事が出来なかったのです。本来ならば屋根材は軒先から棟部まで葺かれているのが通常ですが、棟部から100mm以上も空間が空いているのです。プレーゲル屋根材の高さは約30mm、その上に15×90mmの幅が狭く薄い木材を固定して大きな棟包みを被せてます。
この木下地は雨水を吸収して腐敗が進行しているため、棟包みを固定している釘もサビが
発生しているのです。
屋根板金工事専門店からの提案
プレーゲル屋根材表面の塩化ビニルはビニールなので錆びません。今後、亜鉛メッキと塩化ビニルの密着が弱くなって剥離を起こしてめくれ上がってきますので、屋根材を全面撤去して構造用合板12mmを敷きガルバリウム鋼板に葺き替えが必要です。
現状の屋根を剥がさないで施工するカバー工法は、波型の形状をした瓦風の金属屋根材には不向きです。
建物の構造上、屋根は軽量鉄骨にパネルで組んであり下地は薄いベニヤになっています。経年劣化で屋根に歪みが発生してきてるので、ガルバリウム鋼板の立平葺きを固定するビスの強度を保つためには、構造用合板の施工が必修となります。