木造住宅の屋根材にはガルバリウム鋼板、スレート系屋根や陶器瓦があります。昨今では地震の影響もあり軽い金属系のガルバリウム鋼板を採用する方が多いです。しかし、和瓦にも
住宅の性能に欠かせない通気性やメンテナンスが不要という優れた特性があります。瓦屋根のリフォームでは棟の漆喰を補強したり、傾いた鬼を落ちないように固定したりしますので、あまりコストがかかりません。
和瓦は１枚１枚が波型になっており、重なっているだけですので隙間が出来ます。その隙間から瓦の重ね部分に侵入した雨水が抜ける仕組みです。瓦自体は釘で止めたりせずに桟木
に引っ掛けてるので、大きな地震が発生すると揺すられ動いてしまうのです。
意図的に瓦のズレを撮影
弊社に瓦屋根の修理依頼がありご自宅に伺いました。突然、訪問業者が来て瓦屋根がズレ
ているから雨漏りの可能性があるので点検してあげると言われたそうです。
自宅にいた母は屋根に上がる事を了承して、写真もスマホで見せられたのです。
私が点検したところ瓦屋根はどこもズレなどはなかったので、セールスマンが
意図的に瓦がズレているように瓦を動かして写真を撮り、元に戻しておいたのでないかと推測されます。棟瓦は銅線で結束するのですが、それも一部意図的にバラバラにして写真を撮ったようでした。他の建物で撮った写真を見せるという手口もあるようです。
屋根材に重要な隙間を確保
セールスマンは瓦の隙間を埋めればズレを防止出来て、雨漏りの予防になるのでぜひ一日も早く修理した方がよいと畳み掛けてきたのです。母はすぐにはお願いせずに,仙台市に住む長男に相談をしました。隙間を埋めるとはどういう事なのかと業者に聞いたところ、シーリング材で完全に充填するというリフォームで、すぐに決めてもらえれば大幅に値引きをするという回答でした。（下記見積参照・ラバーロック工事）和瓦の重要な隙間を埋めてしまえば、重要な通気性も無くなるどころか屋根の雨漏りの危険性も出てきます。台風や強い雨では瓦の裏側に侵入した雨水がシーリング材で塞がっているので、逃げ場をなくしてしまいます。
瓦屋根に限らずどんな屋根材にも隙間があります。その隙間は雨水排出のために大切な部位であるので、むやみに埋めてしまう事は論外です。
