無風で上から降る雨だけなら雨漏りはしないのが普通ですが、下から上に舞い上がる雨もあります。速度がゆっくりとした台風では、雨量も増して同方向からの風、風も強くなってきて何日も継続して降ると危険性のある屋根にとっては条件が悪くなります。
昨今の住宅では施主様の意向を叶えてあげたいという強い想いで設計したデザインが、予想もしない雨漏りを発生してしまったという問い合わせが弊社でも増加傾向のようです。
ほとんどは、
雨水の流れや排水箇所、雨量、壁との納め、風の向きや強さなど総合的に判断した上で、雨に強い建物にするための意識が不足していたことが原因です。
交錯した屋根形状はゲリラ豪雨などの災害に弱いから採用には難があると思っていても、お客様が希望しているから仕方ない。屋根の取合いの納めに難易度があり好ましくないと言われる屋根のデザインを設計せざるを得ない場合が少なくないのです。
壁に向かって流れてくる雨水
雨漏り抑止のためには、屋根材の性能や職人の技術、仕上がりの完璧さに過度に期待しないようにして、施主様にしっかりとした説明をした上でリスクが高い屋根の設計は極力しないようにすべきです。屋根の形状においては、水上から流れてきた雨水が外壁面に流れて
いかないようにしなければならない。過去に例のない記録を超える降雨量や、降雨の時間が集中するような大雨でも
雨水が建物外部に逃げる仕組みが必要です。