住宅の居間や階段部に明るさを求める場合に有効な手段として設置される天窓。
居間には採光に必要な開口部を床面積の1/7以上の確保が必要されておりますが、
近隣との境界により有効な開口部の面積として認められないケースがあります。
天窓を取付すれば3倍の面積として認められることから、魅力的に感じる方もいるのではないでしょうか。
しかし、屋根下地として敷かれている12mmの合板や垂木をカットして開口部を
設置するので、わざわざ屋根に約1m四方の穴を開けているようなものです。
当然ながら天窓の上部で雨が溜まるような構造体になるので、雨漏りの危険性も出て
くる。最近の日本はゲリラ豪雨や台風が多いので、天窓周囲の雨仕舞をしっかりと施工
しないと建築後に天井に黒いシミが出てきたといったクレームの電話がきたりするでしょう。このようなリスクを軽減するためには、天窓設置に重要なポイントは何であるかを
知っておく必要があるでしょう。
緩勾配屋根に天窓を設置する注意点とは・・・・
最近の新築住宅では勾配が非常に緩い平らな屋根が多くなってきております。勾配が緩ければ雨水は滞留して流れにくくなるのです。天窓を設置する場合には、最低でも2.5寸の屋根勾配が必要であって、製品ごとに決められた勾配を取らなければなりません。
天窓のガラス面はシール材で塞がれておりますが、
屋根勾配が緩いとガラス面を水下から水上へ逆流する現象も出ます。
また、ガラス面の位置は屋根面より高さを高く取れば、雨漏りの対策としては有効となります。製品化された天窓を屋根合板に直接設置している建物がほとんどですが、天窓側面の
屋根材立ち上げを大きく取るための架台を現場加工して、大雨を伴った台風時に吹き込みを防止する施工を取ると良いでしょう。