大雨や台風、真夏の直射日光などから建物自体を守ってくれている屋根。弊社のある宮城県の利府近郊にある住まいの屋根は、ガルバリウム鋼板、スレート系のコロニアル屋根、瓦などさまざまな屋根で葺かれております。大切な建物を印象づける顔の一部として、重要な役目を果たしています。仕上げ材としての屋根ですが、完全に雨水をシャットアウト出来るかというと不安な要素もあります。屋根材裏面に生じる結露を建物内に侵入させないようにしたり、構造用合板の湿気のために屋根材裏面の腐食を防止するためには、屋根材だけでは防ぐ事が出来ません。
そのため、ガルバリウム鋼板の屋根材を葺く前に構造用合板の上に下葺き材と呼ばれている防水シートを屋根全面に敷きます。
万が一雨水が屋根材から侵入した場合に、この
下葺き材が遮断して雨漏りを防止してくれるのです。建物の新築工事で板金作業の第一工程、構造用合板に下葺きをして横葺きなどの仕上げ材を葺きますが、外観から見える日数は限れてきます。
瓦屋根では持ち上げれば下葺き材を見る事が可能ですが、ガルバリウム鋼板を使用した立平葺き、瓦棒の屋根材では屋根を撤去しないと不可能です。
目にする事が出来ない下葺き材ですが、安心して暮らしていくためには欠かせない重要な防水材であり、もし敷いていなかったら雨漏りの危険性が高くなるでしょう。
タッカー釘の無数の穴・固定の仕方は?
下葺き材はいくつもの種類があり、その多くはアスファルトと基材の組合せから構成されてます。特徴やグレードもメーカーによってさまざまですが、一般的な屋根下葺き材としてはアスファルトルーフィング23kが多く使用されてます。原紙にアスファルトを含浸してから、さらにアスファルトをコーテイング、鉱物質粉粒をまぶした下葺き材です。
耐用年数も使用する物で違いますが、大切な事は下葺き材を敷く時の固定方法です。ホチキスの針のような釘を一般的にタッカー釘と呼ばれてますが、それを構造用合板の上に軒先から敷きながらバンバンと打ち付けていきます。板金職人が物凄いスピードで軽快に留めている光景を見たことがあるかと思います。
防水の役目として大切な下葺き材に
針のような細い穴を無数に開けて固定しているわけですが、せっかくの防水材を破っていることになります。ガルバリウム鋼板などで屋根を葺く時には、50mmのスクリュー状の釘で垂木に留めるのですから下葺き材の固定は
最小限度でいいはずです。タッカー釘が斜めに入ってしまったり、強すぎたりすると雨水が浸入しやすくなるのです。施工時に風が強かったりすれば飛ばされないように多く留めたくなりますが、重石として木材を準備したり、重ねのみタッカー釘で留めるなどすれば無数の穴を開けなくて済むのではないでしょうか。
ガルバリウム鋼板の屋根材料の下にも雨が浸入することもあるという前提の元に、下葺き材の施工を慎重にしていきたいものです。