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雪だまりを作らない家づくり

2024.02.08


温暖化の影響もあって宮城も雪があまり降らない冬になってます。
雪不足でスキー場も閉鎖している所もあるようですが、仙台でも12月から3月に
数回は雪が降って積る日もあります。数センチ程度ですので新潟など豪雪地帯に
比べたら雪ではないでしょうが、建物にとってはほんのわずかな雪でも被害が
出る場合もあるのです。
 
軒の出が長い屋根や庇がある場合には、雪は屋根と外壁の取り合いに溜まらず
軒先へ徐々に溶け出して流れていきます。
3年前に竣工した東北一のショッピングモールである利府イオンの近くにある街並み
の建物を見ると、敷地が狭小であるため軒の出がない、少ない建物、庇がない
建物が多いです。このような建物では、雪は屋根と外壁の取り合いに溜まるリスク
が大きくなり、施工方法によっては雨漏りの可能性も出てきます。
 
住宅の設計においては、内装や外観を重要視して屋根や外壁の納まりは二の次
にすると新築後に雨漏りのリスクが高まる場合が多いです。
切妻や寄棟などのシンプルな建物を設計して問題が起きないようにしなければなりません。
上記の写真は店舗の建物ですが、1階下屋の屋根にアール外壁が突き刺さり、
さらに屋根も円錐形になっていて軒の出がゼロです。
タイルの外壁で雨樋や雪止めも施工されていないのです。
 
円錐形の屋根から落下した雪は1階下屋の屋根に落ちてアール外壁と屋根との
取合いに雪だまりを作るのです。
そして、北側からの風によって1階下屋の雪がアール外壁に押し出されて、さらに
雪だまりの量が大きくなります。
2階屋根には雪止めが取付してありますが、1階屋根に雪が全く落ちないという
事はないので、アール外壁の壁際に雪が落ちていき、雪が溶けずにいつまでも
残っている状況になります。
風が強い日には、軒先から水上方向へ雪が舞い上がってアール外壁に当たる
現象も発生します。
 
つまり、4方向から雪が屋根とアール外壁の取合いに集まってきて、
急激に気温が上がり雪が溶けだすと取合い付近はプールのようになり、
雨水が滞留して逃げ場がなくなるのです。
 
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