昨年の10月1日で当サイト開設14周年を迎える事が出来ました。お蔭様で宮城県仙台市や利府町近郊のお客様に支えられて、弊社のサイトも運営し続けられました。
もちろん屋根や外壁のリフォームに携わって48年を迎えようとしておりますが、必ずしも全てが上手に事が運べた訳でもなく、本来は会社として公表したくないような失敗も多々ございました。そこでこのページでは、表に出ております多くのお客様から感謝の言葉を頂いておりますが、本当にその言葉通りの仕事が出来てきたのか?という事例を紹介して、あえてお伝えしにくい事をお知らせ致します。
お客様からの厳しいご指摘を素直に受け止め、今後のリフォーム工事などにどう対応していくか、屋根のクマガイがお客様にお約束している事をどう徹底していくかが課題でもあると思います。施主様からのご指摘に人のせいにしたり、言い訳をしたり、現場のせいにして自分を守ることはしてはいけません。直ぐに修理できるものはやり直しをして、出来ないと判断したものは、丁寧に誤って、後日対処方法を説明するようにしなれけばなりません。
お客様によりよいサービスを絶えず提供するためには、お客様の声に誠実に向き合う事が必要です。
工事現場では作業を安全に進めるために足場を建物の周囲に設置します。施工開始から終了まで長期間に渡って丸いパイプ状の硬い資材に建物が覆われるのです。そして、養生シートによって足場全体を囲い、近隣に瓦などが飛散しないようにします。
建物の周囲にはカーポート、庭、物置、エコ給湯器などがあり、足場を架ける時にはこれらを交わしながら取り付ける事になるので、職人さんもキズをつけたりしないように注意しながら作業を進めていきます。玄関など住人が出入りする場所は足場を掛けないように施工しなければなりません。
平成30年4月26日から瓦屋根の葺き替えを開始して5月14日頃までの工程を組んでいたお客様のご自宅での出来事です。施工開始から2日後の28日の夕方、瓦屋根からガルバリウム鋼板にリフォームを開始する予定などをおばあさんに伝えにいきました。おばあさんが杖をつきながら玄関まで出てきてくれたのですが、なんと額に大きなシップを貼って頭を抱えこんで痛そうにしているのです。
「だいぶ痛そうですがどうなさいましたか?」
「庭の花に水をかけようとして・・・」
「じょうろに水をはって頭を上げたら・・・・」
「頭から火が飛び出だっちゃ!」
庭の近くにある水道の上部には、硬い鉄の塊である足場が一本渡っていたのです。おばあさんは庭の花が枯れないように朝晩に水をかけるのが日課だったのです。水道があるところから庭までの足場を解体して、歩くのに支障がないように改善しました。
屋根の葺き替えでは古い屋根材の解体、処分の作業があります。撤去した屋根材を屋根からどのようにして下すか、そして積込みする場所やトラックの移動経路も確保しなければなりません。敷地が広い場所があれば問題はありませんが、仙台市の中心部あるご自宅などでは、近隣にもご迷惑をおかけする事も出てきますので、天候が悪い場合には特に注意が必要です。
10月25日から屋根の葺き替えを開始したお客様のご自宅は敷地がとても広いため、古い屋根材を裏の山側に落下させました。隣近所もないので屋根リフォームする上ではとても安心して作業を進められます。タヌキ、クマも出没するくらいの場所でしたので、敵はクマであると油断もしていたのです。
古い屋根材は庭の脇に重ねておいて置き、工事が終わったら元請がまとめて積込みをして処分する予定になっておりました。しかし、数日後、台風がきて朝方にまとめてあった屋根材がバラバラになって、道路向いの納屋まで飛んでいってしまったのです。納屋にはお孫さんの新品の大型バイクがあり、キズをつけてしまいました。ちょっと見ただけではキズとは分からないほどの状態でした。お孫さんはツーリングに行く予定があり、数日前から洗車をしてピカピカにしていたようですので、とても不満そうにしておられました。
2階屋根のカバールーフが完了して、その2日後に大雨が降る予報が出ておりました。1,2階ともに雨樋も全部取り外している状態でしたので、急遽軒樋だけでも取り付けることにしました。
H様のご自宅は屋根、外壁ともに改修する予定でしたので、外壁も解体する上で立樋も取り外さなければなりませんでした。2階屋根に軒樋を取り付けて、一箇所落とし口※1を設けて仮の状態で立樋を設置※2して1階屋根に流しておくようにしておりました。ところが、1階屋根に雨水を流した状態だけで、1階屋根の軒樋に立樋で繋いでおかなかったため※3に、水鉄砲のように1階の玄関先に流れてきてしまったのです。H様の奥様は朝の出勤で雨水が『ジャージャー』滝のように顔付近に落ちてきたのでビックリしてしまったようです。
台風や強い雨が降った時には必ず雨漏りがするために、5年程前から旦那さんから応急的に補修を依頼され、何度か原因となる箇所を補修しておりました。先日の大雨によって室内にもかなりの雨漏りが見受けられましたので、屋根を葺き替えする事となりました。
改修当日は屋根を剥がす必要はなく、屋根面積も130㎡ほどあり作業するにはとても動きやすい感じでした。ところが、テレビのアンテナが屋根の中央に立っており、アンテナを押えている針金も屋根の四方に張っている状態だけが作業の妨げとなっていたのです。
通常は1階の屋根にアンテナを下ろして作業をするのですが、この日は作業を一人でやっていた事もあり、アンテナをそのままで屋根の葺き替えをしておりました。翌日の朝に奥様に挨拶に伺うと、なんと『テレビの映りが悪くてねえ、昨晩見たい番組があったけど、あまり見れなかったのよ~』と教えられました。
屋根全面の葺き替え工事が後2日ほどで終わる頃、夕方頃奥様が自宅から出て来て、台所にある小さい屋根や、4ヶ所ほどある出窓の屋根は葺き替えするのか質問されました。詳しくお話を聞いてみたところ、工事初日に職人さんから工事の終了近くに張替をするとの返答をもらっていたようです。
奥様は東京で暮らす息子夫妻に屋根をリフォームしているお話をして、メールなどで画像を送っておりました。何度か話をしているうちに出窓の屋根がまだ工事していないとの事になったようで、再度、責任者に聞いてみた方がいいとのアドバイスをもらったようでした。
お見積り書の屋根面積には入ってはいないのですが、工事初日に出窓を施工するとお伝えしてますので、工事の最終日に出窓の屋根も工事をして、無事、コロニアル屋根から定尺横葺き屋根に改修する事が出来ました。
施工前にご近隣の皆さんにご挨拶を必ずしておりますが、工事現場の隣の家が留守の時がありました。ご挨拶は屋根のリフォーム前日に行いましたので、ご留守の自宅には施工当日に挨拶に行く予定にしてました。
施工当日はとても風が強く、瓦を撤去していたために瓦の中に入っていた杉の葉や枯葉が隣の庭に飛んでいってしまいました。足場に養生シートを張っていたのですが、あまりの強風で意味がありませんでした。また、洗濯物が干してあったので埃もついてしまったようです。
施工当日の夕方にご留守宅に挨拶にお伺いしましたら、おじいさんがとてもお怒りの様子でした。その家族は7人家族で毎日留守にする事が多いようでしたが、おじいさんだけは大体家にいるのですが、初日にご挨拶に当社が行った時は町内会の用事で出かけてたようです。
洗濯物が汚れたお詫びとして、クリーニング費用とお茶菓子をお持ちして、何度も頭を深く下げて謝りました。2日目からの作業では、一切屋根から物が落ちたりしないように、足場の脇にあるフェンスなどに角材を立て、シートで全面を覆ってから作業をするという事でようやくお許しを頂く事になりました。
総2階構造の建物のリフォームでは、通常、安全作業第一のために足場を設置しております。工事をする上で1階に面積が広い屋根があれば精神的に落ち着くのですが、縦に長い総2階の構造では、万一転落したら死亡してしまう危険性が伴います。
お見積りでは足場を設置して提案をさせて頂きましたが、施主様の予算の都合もあり、やむを得ず足場を架けないでの作業になってしまいました。東京にいるお爺さんが介護が必要になってしまい、これから東京と仙台を行き来しないとならないようで、なるべく屋根の修理費用を抑えたいようでした。
そのため、梯子を使用しての工事で了承して頂き工事を進める事となりました。1日目の帰り際に「誰か梯子に上がっていきませんか」と質問を受けました。施主様のご自宅は街の中心部で近隣が接近していたため、長い梯子を置く場所もなかったためにそのままで工事を終了しました。また、工事は2日で終わる予定でしたので、1日だけ梯子をたたまないでおきました。
梯子をロープで固定して倒れたりしないようにしておきましたが、夜に梯子を上って2階の部屋に入ったりしないか心配になったようです。
築年数が古い屋根の下地には約9mmの屋根板が張られておりますが、この屋根板が隙間なく軒先から棟までびっしりと張られてはいないようです。少々の空間を設けて大工さんが垂木の上に張るのが通常の施工です。
そして、屋根板が張り終るとフエルトと呼ばれている防水紙を全面に敷き、屋根瓦を並べるための横桟を打ち付けます。このフエルトは現在の屋根防水紙としてあまり使用はされませんが、昔はほとんど多く使用していたようです。フエルトはとても薄いもので、年数が経過すると手で簡単に破れるほどもろくなり、あまり防水の役目は果たさなくなります。このような状態になっているご自宅が多く、瓦を剥がし横桟の釘を抜くと、フエルトがボロボロになって粉々に裂かれてしまうのが屋根瓦の撤去時に起こる現状です。
そうすると、屋根板の空間から屋根裏の天井に棟瓦を押えている土などがどうしても落ちてしまいます。少しづつ掃きながら土を取って天井に落ちないように努めてはいますが、強風などが吹いたりすると天井に土が転がっていきます。 天井も隙間なく張られていれば室内にまで落ちないわけですが、古い建物ですと天井の隙間が少々あったり、一部張られていない箇所があったりします。
工事に取り掛かる前に、ご自宅の中に土が落ちる可能性がないか一度簡単に室内の天井とかを点検するようにすべきです。 もしくは、和室などに大事なものがある場合には、シートで養生をするとかの対策をするべきでしょう。施主様には予め室内が埃だらけになる恐れがあると伝えておく必要があるわけです。
▲屋根下地材(泥土)の撤去中
▲瓦撤去完了
朝からのシトシト雨で今日の屋根工事はどうするのか、おばあちゃんから朝一番で会社にお電話がありました。午後からは雨が止む予報なので、屋根を葺く段取りのためにお伺いするとお伝えしました。屋根もほとんど平らな屋根でおばあちゃんでも歩く事ができるくらいの屋根勾配ですので、少々の雨でも屋根での作業は可能です。また、2階屋根に大きな窓が2つあり、どのような作業をするのかも見れるような建物の作りとなっておりました。10時の休憩におばあちゃんがコーヒーを大きな窓から差し出してくれました。 その時に一言おっしゃられました。
『熊谷さんさ、トタンの裏が濡れてるけどその雨水を拭いてからやるんだすぺ!』 傘も必要かどうか迷うくらいの雨でも、屋根面は結構濡れているものです。 おばあちゃんがお電話をくれた時に言いたかった事は、トタンに濡れた雨水が心配だったのでしょう。トタンが濡れている状況では、屋根の下葺き材も濡れているので、新しい屋根材を葺いてしまうと雨水が溜まってしまうのではないかと心配になります。また、屋根上が滑るから職人さんも大丈夫なのかも気がかりになっていたようです。
朝のお電話を頂いた時に、屋根を並べる前に段取りする作業を詳細に説明するべきだったのでしょう。例えば、瓦棒屋根の場合、垂木位置の墨出し、釘を打つ間隔の墨出し、瓦棒屋根の水上部分の立ち上げ作業、壁際の墨出しや本体の立ち上げなどがあります。 その他にも多くの作業がありますので、雨水がついた状態での屋根材を並べる作業は、朝から直ぐに取り掛かる事はないとの説明が必要であったのでしょう。
▲雪止め撤去前
▲瓦棒葺きにタイトフレーム取付
屋根の葺き替えでは多くの木材や道具を必要とします。施工中はもちろんですが、施工後に強風で資材が飛ばされないように養生作業はしっかりとしなければなりません。
隣の家の車庫に面した屋根をリフォームしている時の出来事です。 朝、作業開始と同時に車庫の方から隣の奥さんが叫んでおりました。 『ここに車庫があるのにそのダンボール箱を屋根に置いたままで、どうして昨日帰ったのよ!』 『もし落ちてきたら大変だから、昨夜、車庫に車を止めなかったわよ』 現場責任者がお詫びに伺い、今後、屋根に物を置いて帰らないという事でお許しを頂きました。
ダンボール箱には屋根で使う資材がいっぱい入っており、飛散して落下する事はないのですが、近隣の方には分からないことです。空箱が置いてあるとしか見えませんから、奥様がお怒りになるのも当然です。車庫がある屋根面にあればなおさらの事です。
資材などを屋根に置く場合には、近隣に迷惑のかからない場所を選んで置いたり、バルコニーなどがあればバルコニー内に置くようにすべきでしょう。 どうしても、置くスペースがなかったりする状況も考えられます。そのような時には、 お客様はもちろんですが、近隣の方々に施工後に挨拶をして安全であるという旨を伝える必要があるわけです。