一昔前の工事現場は、足場を設置せず作業をしている光景がよく見られました。そのため、芸術的ともいえる職人さんのもの作りの現場が道端から眺めることができたものです。
大工さんや板金屋さんの技術は眺めているだけで楽しく、夢中にさせられたものです。現在の現場は、足場をかけて養生ネットで建物全体を囲むのが通例となっています。お客様は現場の様子が全く分からないのが現状ではないでしょうか。「うちの屋根はどうやって仕上げているの?」、「どんな職人さんが屋根を葺いているの?」といった疑問が次々と出てきます。
そして、お客様と職人さんが話をする機会も中々持てないのです。屋根のクマガイでは、リフォーム工事などに関わった職人たちそれぞれの作業の風景や素顔に触れることが、屋根のリフォームの実態を理解する上で重要であると考えます。
職人の手作りの作業風景を公開することにより、完成後の建物そのものだけではなく、出来あがる過程も見ることが出来るのです。職人さんはどんな気構えをもって仕事に向き合っているのかも見れるのではないでしょうか。このような取り組みをすることにより、活気ある建築の現場を蘇らそうという挑戦をしていきます。
お客様の大切な家で屋根工事をしている時に求められる事は、仕上がりの状態よりもまずは安全作業で毎日施工してくれるかではないでしょうか。災害は忘れた頃にやってくるという言葉がありますが、現場での事故が無い日が長年続きますと、安全に対する意識が薄れてくるのが普通です。そして、そこから職人にも『油断』が生まれてくるのです。特に、屋根工事は高所での作業ですから転落事故などを起こさないために、安全についての不断からの注意や関心が大切なのです。
屋根のリフォームでは、ほとんど足場を架けての作業を行いますが、建物や屋根の構造、立地条件によっては足場板を架けられない現場があります。したがって、足場パイプ一本を渡すだけの状態に陥り、不安定な体勢でしなければなり非常に危険です。
また、天候が悪ければ滑る可能性も出てきます。このような状況下において、現場責任者はどうしたら安全に足場上で作業を進められるかを事前に把握して、実際に作業をする職人に指示を出す必要があるわけです。職人の判断が正しければ良いのですが、ちょっとした気の緩みで転落事故が起きないとは限りません。そのためにも、職人と現場責任者との連携を大事にしながら、現場の状態を常にチェックする心構えを忘れてはなりません。
クマガイのお約束
屋根工事のほとんどは3~4人態勢で進めていきます。リーダー1人、部下が3人、経験の長い人から浅い人までがそれぞれの思いを持って仕事に当たっています。生涯の主要な期間を職場(屋根)で過ごしているのです。
つまり、職場(屋根)は職人の主要な生活の場と言ってもいいでしょう。
その生活の場が、職人同志によって心地の良い空間ではなかったら、その人の人生にとって不幸の原因になってしまいます。 ストレスが多い環境は誰も望みません。そして、屋根の作業の能率が低下し、高い生産性を上げる事が不可能になってきます。
「言われた通りにやりゃいいんだろ」
「長いものには巻かれろ」
これでは、お客様の笑顔を見るためにしているリフォームがマイナスの要因を多く引き出してしまい、「頼んでよかった!」という言葉を頂けません。
指示、連絡、報告をスムーズかつ正確に!
職人同志は人間ですから長所、短所が必ずありますが、より良い職場を作っていく事は経営者にとって重要な課題であります。
仕事上、効果的なコミュニケーションが成立するか否かを握っているのは、部下そのものであり、リーダーは部下から共感、理解と納得を獲得できるかが鍵となります。