10月9日の夕方、お客様相談窓口にお電話がありました。
先日の大雨で自宅の2階に雨漏りが起きてしまったという内容です。これまで兄が住んでおり亡くなったため、空き家にしておくのも防犯上危険であるため、20年前から住んでいるようでした。屋根のリフォームは一度もした事がないようですが、雨漏りもしたことはなく不具合を感じてなかったのです。
奥様ははじめての経験であるため、どうしたら良いのか分からなくて困惑気味です。
多くの人から意見を聞きたいので3社から相見積を取りたい旨を伝えられ、快く見積をさせて頂きました。ご自宅の屋根は築45年の単純な切妻の瓦棒屋根で勾配も4寸ほど、南面に下屋の屋根があり、ベランダが屋根上にあります。したがって、いくら屋根の修理をしていなくても2階の室内に雨漏りするのは不思議でした。屋根はサビが進行しているものの、施工上による欠陥も見当たらないので慎重に原因を突き止める必要がありました。雨漏りする箇所をお聞きすると南側にある窓の上部あたりのようです。窓上部にはベランダの屋根があり小波で葺かれております。小波と壁の取合の施工ミスにより雨漏りが起きている可能性、2階屋根のサビや腐食が原因で雨漏りが起きている可能性と2つを疑いました。
A社は塗装をすれば5年ぐらいは大丈夫であるという判断です。屋根のサビが進行しているのに塗装をして雨漏りを直すというのです。しかも10年の保証書を出すから安心ですという主張です。
B社は2階と1階屋根の全面葺き替えするという判断です。とにかく雨漏りの原因を探る事なく、屋根を葺き替えするという一点張りなのです。金額も高くなってしまい、お客様はB社だけ高いのはどうしてか分からないのです。
両社ともリフォーム屋さんで板金業者ではないようでしたので、このような判断は想定内でした。
一番重要な箇所である小波と壁の取合いの施工修理が見積の項目に入ってないのです。屋根リフォームが必要かに関わらず、この取合いを修理しない限り完全に雨漏りを止められないのですが、何でもやりますと謳っているリフォーム屋さんは上記のような見積明細になるのです。施工上のミスや欠陥により屋根の葺き替えが必要な場合はもちろんあります。しかし、複雑な形状の屋根、設計上、屋根の構造が雨漏りを発生させるようになっている以外は、屋根以外にも原因箇所を疑ってみなければなりません。
屋根の痛みがひどいから雨水が吹き込んでいるという見解はあまりにも短絡的で、原因がよく分からないからそのように言っているのに過ぎないのです。
A社:塗装(2階屋根)10万円
B社:葺き替え(1・2階全面)93万円
屋根のクマガイ葺き替え(2階屋根)37万円
ベランダ小波屋根、取合い修理3万円(重要項目)
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